皆さんこんにちは。みつわ運輸 社長の轟と申します。
祖父が創業し、父が経営していたこの会社に、私が入社したのは2007年のことです。
当社について感じていることや、どのような考えで経営しているのか、お話させて頂きます。
私の自己紹介はこちらをご覧ください。
「今より自由だった」と言えば聞こえが良いですが、「無法状態だった」という方が正しいと思います。
稼ぎたいからドライバーをしているという人が多く、「寝る時間を削ってでも仕事を多くする」のが普通でしたし、「経費を減らすためになるべく高速道を使わずに走る」ことも、当たり前のようにされていました。
会社の利益にもなりますし、ドライバーの手当ても増えるので、両者の利害が一致していたのです。
ですが、ドライバーの労働時間は長くなりますし、何より事故のリスクが高まります。
その時代から長い時間をかけて、少しずつ改善をしてきました。
人手不足が進む中、社員には健康でいてもらいたいですし、大きな事故を起こせば会社の存続が危うくなります。
労働時間を減らすために、できるだけ高速道路を使うようにして、増えた分の高速代をお客様から頂けるように交渉を続けてきました。待機時間や積み降ろし時間が非常に長い場合は、その短縮も交渉しました。
交渉の結果、ご理解頂けないために取引をやめさせて頂いたお客様もいます。
以前は「弁金」といってお金を取ることが主な処罰でした。「稼ぎたい」からドライバーをしている人にとって、お金が一番の罰だろうと考えたのです。
ですが、これは逆効果でした。
「お金を払ったのだから文句はないだろう」と考えるドライバーが多く、しかも、払った分のお金を取り戻そうと無理な運行をする、という悪循環でした。
今は、再発防止のための教育をすることを中心にしています。
そのために、ドライブレコーダーとデジタルタコグラフを活用しています。
特に、当社のドラレコは車内も映しています。(プライバシーを守るために、勝手に見ることはしません。また音声も聞きません。)
ドラレコの無かった時代は、事故の状況は当事者のドライバーに聞くしかありませんでしたが、自分に不利なことは言いません。「ちょっとボーっとしていた」と言われたら、それを信じるしかなかったため、真の原因は分からないままでした。そして、その人はまた事故を起こします。
今はドラレコを見ることで、どのような状況で起きた事故なのかが、客観的に分かります。
怖い話ですが、大型トラックを運転しながら、「スマホの画面を見ながら操作し続けて、たまに前を見て運転している人」や「ハンドルの上に、開いた地図を置いて一生懸命に道を探している人」もいました。
残念ながら、彼らはそれを悪いことだとは思っていません。二度としないように指導をしましたが、彼らは会社を去っていきました。他の運送会社で同じことをしていないよう願うばかりですが、車内映像が無ければ、いつか当社で大きな事故を起こしたと思います。
それは、まじめに働く他の社員にとって迷惑です。
ここでもドラレコを使うことで、
「前の車との車間距離は十分空いているか」「無理な車線変更はしていないか」
などを指導することができます。
車内映像のおかげで、ハンズフリーを使わずに電話をかけたり、スマホを操作したりしていないかチェックできます。
さらに、デジタコのデータから、スピードを出し過ぎていないか、「急」の付く運転をしていないかも分かります。
「ドラレコやデジタコで管理されるのが嫌だ」というドライバーもいますが、事故を起こさなくなることは、ドライバーとその家族のためだと考えています。
ただし、危険な運転をしているドライバー自身は、自分では安全運転をしていると思い込んでいることが多いです。
ドラレコの映像を見ることで自分の欠点に気付ければ、本人だけでなく周りの人も幸せになります。
【IT点呼】や【営業所間のテレビ会議】はもちろん、社内の情報共有ツールとしての【デジタル掲示板】、【動画による新人教育】など、様々な面でデジタル活用を進めています。
今までお話したこと以外にも、改善しなければいけないことがまだまだあります。
デジタルツールは、それらを使うだけで問題が解決するわけではありませんが、改善の助けとなり、本来すべき仕事に使える時間を増やしてくれます。
利益を増やして社員に還元し、労働時間を短くし、作業負荷を減らし、選ばれる職業になることを実現していかなくてはいけません。そして、時代の変化に合わせて変わっていかなくてはいけません。
私は「とにかく会社の規模を大きくしたい」とは考えていません。
周りの運送会社の中には、驚くような成長をしている会社もいますが、私には無理をしているように見えます。
運賃を安くすれば仕事は取れます。その代わりに、労働時間を増やして多く運行させたり、高速道路を使わせずに経費を減らしたり、社会保険を払わなかったりする必要があります。
また、新しい営業所を次々増やそうとしても、しっかりと管理できる人材がそんなに簡単に育つわけがありません。とりあえず仕事をして売上が上がればよい、そんな方針で拡大している会社が多い気がします。
当社では、人材を育てながら利益もしっかり出せる体制を目指して、既存の営業所の拡充に力を入れています。その流れの中で人材が育ってくれれば、将来的には営業所の新設も視野に入ります。
気の長い話ですし、うまくいかないことも多々ありますが、無謀な挑戦をして、今いる社員の生活をリスクにさらすようなことはしたくありません。
「会社 = 社長」ではなく、「会社 = 社員」だと思って経営をしています。
かといって、まったく営業活動をしないわけではありません。当社と真摯に付き合って頂けて、当社を必要として頂けるお客様を探すために、積極的な営業活動も続けています。
無理をしない中で力を蓄え、チャンスが来た時に逃さないように活動しています。
「できない言い訳は誰でも言える。どうやったらできるかを考えよう。」と言っています。
例えば、倉庫の中に荷物がいっぱいの状態で、お客様から「追加で保管して欲しい」と依頼が来たとします。
ある社員は、「もう一杯だから無理です。断りましょう。」と言うかもしれません。
しかし、別の社員は「棚を追加すればもう少し保管できます。」と考えてくれるかもしれません。
「外部の倉庫を借りましょう。」でも良いです。
費用は掛かるかもしれませんが、倉庫代が増えれば元は取れます。なによりも、お客様の要望に応えられたことで、次の依頼につながります。
もちろん、「どうしてもできない」ことはありますが、同じ事柄に対してその人がどう考えるかで、「できる」か「できない」かが変わってしまうのも事実です。
工夫の余地がある状況でも、「やりたくない」と思っている人は、マイナスの発想しかしてくれません。
逆に「どうやればできるか」というプラスの発想をしてくれる人は、言われなくても自主的に改善を進めてくれます。この差は非常に大きいです。
当社は、何事に対してもポジティブに対応していきたいと考えています。
『倒れる時は前のめり』です。
とりとめのない話になってしまいましたが、当社の考え方に共感してい頂ける方は、ぜひご応募ください。
お待ちしております。